カフェインの1日の摂取量の目安は、健康な成人で400mgまでです。厚生労働省の睡眠ガイド2023も1日400mgを超えないよう求めており、ドリップコーヒーならカップ4杯分(約700mL)ほどに当たります。
この記事でわかること
- カフェインの1日の摂取量の目安と、1回200mgという単回の目安
- コーヒー・紅茶・緑茶・エナジードリンクの1杯あたりのカフェイン量と、400mgまでの杯数
- 成分表示の「100mL当たり」を1本に直す読み方
- 半減期から考える、夜の睡眠を守る最後の1杯の時間
- とりすぎのサインと、無理なく減らす置き換え先
公的情報源: 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023/食品安全委員会 ファクトシート/農林水産省/消費者庁
この記事の要点
- 健康な成人は1日400mgまで・1回200mgまでが海外機関の目安
- ドリップコーヒーは100mLあたり60mg。カップ1杯(150mL)で約90mg
- エナジードリンクは1本50〜170mg。コーヒーと重ねると400mgに届きやすい
- 夜の睡眠を守るなら、最後の1杯は就寝の9時間前までを目安にする
朝にコーヒー、昼すぎにもう1杯、夕方の会議前にエナジードリンク。デスクワークをしていると、気づかないうちにカフェインが積み上がっていきます。
飲みすぎかどうかは、杯数だけだと判断しにくいでしょう。飲み物ごとの量をmgでつかんでおくと、自分の1日の合計が見えてきます。
- カフェインの1日の摂取量の目安
- 飲み物別のカフェイン量と400mgまでの杯数
- 成分表示の読み方と見落としやすいカフェイン
- 夜の睡眠を守る最後の1杯の時間
- とりすぎのサインと減らし方
- とくに注意したい人
カフェインの1日の摂取量の目安は?国内外の基準
健康な成人のカフェインの目安は、1日400mgまでです。米国・欧州・カナダ・オーストラリアなどの機関が、成人の1日の上限として400mgを示しています。
一方、日本ではカフェインの1日摂取許容量は決められていません。食品安全委員会のファクトシートによると、感受性の個人差が大きく、健康への影響を正確に評価するのが難しいためです。
ただ、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、睡眠の観点から1日のカフェインの合計が400mgを超えないようにと書いています。国内で目安にするなら、この数字がわかりやすいでしょう。
カフェインの摂取量の目安(農林水産省のまとめより)
| 対象 | 1日の目安 | 1回の目安 | 示している主な機関 |
|---|---|---|---|
| 健康な成人 | 400mgまで | 200mgまで | 欧州(EFSA)・オーストラリア等 |
| 妊婦・授乳中 | 200〜300mgまで | ― | WHO・欧州・カナダ等 |
| 子ども・18歳未満 | 体重1kgあたり2.5〜3mgまで | ― | カナダ・欧州等 |
1回200mgの目安を示したのは、欧州食品安全機関。体重70kgの成人なら、約3mg/kgにあたる量になります。一度にまとめて飲むときは、1日の合計とは別にこちらも意識しておくと安心です。
出典:農林水産省 カフェインの過剰摂取について/食品安全委員会 ファクトシート 食品中のカフェイン
飲み物別のカフェイン量と、400mgまでの杯数
カフェイン量は、飲み物によって大きく違います。農林水産省と食品安全委員会の資料は100mLあたりの濃度で載せているので、1杯・1本に直すと数えやすくなります。
飲み物別のカフェイン量(1杯あたりは計算値)
| 飲み物 | 100mLあたり | 1杯・1本あたりの目安 | 400mgまでの目安 |
|---|---|---|---|
| ドリップコーヒー | 60mg | カップ150mLで約90mg | 約4杯 |
| インスタントコーヒー | 粉2gで1杯約80mg | 1杯約80mg | 約5杯 |
| 紅茶 | 30mg | カップ150mLで約45mg | 約8杯 |
| せん茶 | 20mg | 湯のみ150mLで約30mg | 約13杯 |
| ウーロン茶 | 20mg | 150mLで約30mg | 約13杯 |
| 玉露 | 160mg | 少量でも多い | 量に注意 |
| 抹茶 | ― | 1杯(粉1.5g)で48mg | 約8杯 |
| エナジードリンク | 28〜300mg | 1本50〜170mg | 製品により2本強〜 |
100mLあたりの濃度は、コーヒー・茶類が日本食品標準成分表2020、エナジードリンクが農林水産省の市販12製品の調べ(2026年7月)です。お茶やコーヒーは、いれ方や製品で量が変わる点も覚えておいてください。
睡眠ガイド2023は、400mgをドリップコーヒーで珈琲カップ4杯分(700mL)、市販のペットボトルコーヒーなら1.5本分(750mL)としています。マグカップで飲む人は、1杯が150mLより多いぶん早く届く計算です。
1日のカフェインの計算例
- 8時 ドリップコーヒー150mL
- 約90mg
- 10時 インスタントコーヒー1杯
- 約80mg
- 13時 せん茶150mL
- 約30mg
- 15時 紅茶150mL
- 約45mg
- 8時 マグカップのコーヒー240mL
- 約144mg
- 13時 エナジードリンク1本
- 多い製品で約170mg
- 16時 ドリップコーヒー150mL
- 約90mg
- 合計
- 3回の飲み物で400mgを超える
図:コーヒーだけなら余裕があっても、エナジードリンクを1本足すと400mgを超えやすい
計算例のとおり、エナジードリンクを1本足すと一気に400mgに近づきます。消費者庁も、エナジードリンクは1本でコーヒー2〜3杯分に相当するカフェインを含むものがあると注意を促しています。
成分表示の読み方と、見落としやすいカフェイン
市販の飲み物は、成分表示を見て1本あたりに直すのが確実です。農林水産省によると、カフェインを多く加えた清涼飲料水の成分表示は、多くが100mLあたりの濃度で書かれています。
- 100mL当たりの表示:内容量(mL)÷100×表示の数字で1本の量になる。250mLで100mLあたり32mgなら80mg
- 1本当たりの表示:エナジードリンクなどは1本あたりの量を自主的に表示している製品もある
- コーラタイプや一部の清涼飲料水:睡眠ガイド2023はカフェインを含む代表的な飲料に挙げている
- 市販の風邪薬・頭痛薬:カナダ保健省は一部の市販薬にもカフェインが含まれると注意している(食品安全委員会のファクトシートより)
薬のカフェインは飲み物と別に数えがちです。市販薬を飲む日は、添付文書や箱の成分欄も確認し、心配なら薬剤師に相談してください。
夜の睡眠を守る「最後の1杯」の時間
1日の合計が400mg以内でも、飲む時間が遅いと夜の眠りに響きます。カフェインは飲んでから体の中にしばらく残るためです。
睡眠ガイド2023によると、日本人のカフェインの血中半減期は3〜7時間とばらつきがあります。半減期は、血液中の濃度が半分になるまでの時間のことです。
半減期5時間の場合、体に残るカフェイン
- 朝9時に400mgを一度にとったら、夜まで何mg残るか
- 19時:400mg睡眠ガイド2023の計算例。一度に400mgをとった場合
- 214時:200mg相当5時間で半分になる
- 319時:100mg相当さらに5時間でその半分
- 424時:50mg相当19時に100mgをとった場合も、24時に50mg分が残る
半減期は3〜7時間と人によって違う。長い人ほど夜まで多く残る
図:半減期5時間なら、朝の400mgは夜19時でも100mg相当が体に残る
同ガイドが紹介する系統的レビューでは、107mgを超えるカフェインは就寝の約9時間前でも夜の睡眠に影響していました。217.5mgを超えると、約13時間前の摂取でも影響したとされます。
24時に寝る人なら、9時間前は15時、13時間前は11時です。コーヒー1杯(約90mg)は15時までに、2杯分(約180mg)をまとめて飲むなら11時までに済ませると、余裕をもってこの範囲に収まります。
就寝時刻から逆算した「最後の1杯」の目安
| 就寝時刻 | コーヒー1杯(約90mg)なら | 2杯分(約180mg)をまとめてなら |
|---|---|---|
| 23時 | 14時ごろ | 10時ごろ |
| 24時 | 15時ごろ | 11時ごろ |
| 1時 | 16時ごろ | 12時ごろ |
夕方以降の眠気には、カフェインを含まない麦茶や水に切り替えると安心です。睡眠全体の整え方は睡眠の質を上げる方法で扱っています。
カフェインのとりすぎのサインと減らし方
カフェインをとりすぎると、めまい・心拍数の増加・興奮・不安・震え・不眠が出ることがあります。下痢や吐き気も、食品安全委員会のファクトシートが挙げる急性の作用です。
睡眠ガイド2023は、眠気覚ましとして慢性的にとると効果が弱まり、依存も生じると書いています。「飲まないと仕事にならない」と感じるなら、量を見直すタイミングかもしれません。
カフェインを減らすときの置き換え先
- 睡眠ガイド2023は、茶葉を使わない飲み物への置き換えを紹介している
- 午後のコーヒー麦茶・そば茶・黒豆茶・とうもろこし茶など、茶葉を使わないお茶に
- 夕方のエナジードリンク水や麦茶に。眠気が強い日は短い休憩や昼寝で区切る
- 夜のお茶カフェインを含まないハーブティーや白湯に
図:減らすときは、時間の遅い1杯から茶葉を使わない飲み物に置き換える
減らすなら、夜に近い1杯から置き換えるのが手をつけやすい順番です。1日1杯ずつ入れ替えていけば、生活のリズムを大きく変えずにすむはずです。
水分補給をコーヒーだけに頼らず、水や麦茶を土台にしておくと減らしやすくなります。飲み物全体の選び方は便秘に効く飲み物の選び方でも触れています。
カフェインにとくに注意したい人
次の人は、成人の目安の400mgよりも少ない量を意識してください。
| 注意したい人 | 公的資料に書かれていること |
|---|---|
| 妊娠中・授乳中の人 | 1日200〜300mgまでとする機関が多い。睡眠ガイド2023は可能な限り控えることが勧奨されているとする |
| 子ども・10代 | 体重1kgあたり2.5〜3mgまで。成人より少ない量で睡眠に影響する |
| 高齢の人 | 加齢でカフェインの代謝能が下がり、少量でも睡眠に影響しうる(睡眠ガイド2023) |
| 心臓や血管の病気がある人 | 多量の摂取は避ける必要がある(ドイツ連邦リスク評価研究所・食品安全委員会のファクトシートより) |
| 薬を飲んでいる人 | カフェインを含む薬もある。医師・薬剤師に確認する |
カフェインの感じ方には個人差があります。少量でも眠れなくなる人は、目安より控えめにするのが安心です。
よくある質問(FAQ)
Q1:カフェインは1日何mgまでなら大丈夫ですか?
健康な成人なら1日400mgまでが目安です。欧州・米国・カナダなどの機関が示している数字で、厚生労働省の睡眠ガイド2023も1日400mgを超えないよう書いています。1回にまとめてとるなら200mgまでも目安になります。
Q2:400mgはコーヒー何杯分ですか?
ドリップコーヒーなら、カップ150mLで約4杯です。睡眠ガイド2023は、珈琲カップ4杯分(700mL)、ペットボトルコーヒー1.5本分(750mL)としています。マグカップで飲む場合は杯数が少なくなります。
Q3:エナジードリンクは1日何本まで飲めますか?
製品によってカフェイン量が違い、農林水産省の調べでは1本50〜170mgでした。1本の量を成分表示で確かめ、コーヒーなどと合わせて1日400mg以内に収めてください。多い製品なら2本強で届きます。
Q4:コーヒーは何時までに飲めば眠りに響きませんか?
睡眠ガイド2023が紹介するレビューでは、107mgを超えると就寝の約9時間前でも睡眠に影響していました。24時に寝る人なら、コーヒー1杯は15時ごろまでが目安です。半減期には3〜7時間の個人差があります。
Q5:カフェインをとりすぎるとどうなりますか?
めまい・心拍数の増加・興奮・不安・震え・不眠・下痢・吐き気などが出ることがあります。体調がおかしいと感じたら飲むのをやめ、症状が強いときは医療機関に相談してください。
まとめ
まとめ
- 健康な成人のカフェインは1日400mgまで・1回200mgまでが目安
- ドリップコーヒーはカップ150mLで約90mg。400mgは約4杯分
- エナジードリンクは1本50〜170mg。コーヒーと重ねると400mgを超えやすい
- 成分表示が100mLあたりなら、内容量をかけて1本の量に直す
- 半減期は3〜7時間。24時に寝るなら、コーヒー1杯は15時ごろまで
- 減らすなら夜に近い1杯から、麦茶など茶葉を使わない飲み物へ置き換える
カフェインは、量と時間をつかんでおけば上手に付き合える成分です。まずは今日飲んだ分を、表の数字で足し算してみてください。動悸や不眠など気になる症状があれば、自己判断せず医師に相談してください。
※本記事は厚生労働省の睡眠ガイド2023、食品安全委員会、農林水産省、消費者庁などの公的情報をもとに整理したもので、診断・治療を目的としたものではありません。カフェイン量は製品やいれ方で変わるため、成分表示もあわせてご確認ください。妊娠中・授乳中の方、持病のある方、服薬中の方は、医師・薬剤師にご相談ください。

