昼寝の効果的な時間は、午後の早い時刻に15〜30分以内が目安です。厚生労働省の睡眠指針2014は30分以内の昼寝が眠気による作業能率の改善に効果的とし、e-ヘルスネットは15分程度で十分としています。
この記事でわかること
- 昼寝の効果について厚生労働省の資料が書いていること
- 15分・30分・1時間で何が違うのか、長すぎると起きにくくなる理由
- 仕事の時間割に当てた昼寝のタイミング
- 在宅とオフィス、それぞれの昼寝の取り方
- 昼寝前のコーヒーの注意点と、昼寝しても眠いときの受診の目安
公的情報源: 厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014/健康づくりのための睡眠ガイド2023/e-ヘルスネット 快眠と生活習慣
この記事の要点
- 昼寝は15〜30分以内。30分を超えると起きたあとにぼんやりしやすい
- 取るなら午後の早い時刻。夕方以降は夜の寝つきに響きやすい
- 昼寝前のコーヒーは1杯までにして、午後の早い時間に済ませる
- 毎日強い眠気があるなら、夜の睡眠不足や睡眠の病気を疑って相談する
昼食のあと、画面の文字が頭に入ってこない。会議中にまぶたが重くなる。デスクワークをしていると、午後の眠気は避けにくい悩みです。
短い昼寝は、この眠気への手の打ち方として公的な資料にも登場します。ただし長さとタイミングを外すと、かえってぼんやりしたり夜に眠れなくなったりします。
- 昼寝の効果と公的資料の位置づけ
- 昼寝は何分がいいか(15分・30分・1時間の違い)
- 昼寝のタイミングを仕事の時間割に当てる
- 在宅とオフィスでの昼寝の取り方
- 昼寝前のコーヒーの注意点
- 昼寝しても眠いときの受診の目安
昼寝の効果は?厚生労働省の資料が示す「午後の眠気」への効き方
昼寝の効果として公的資料が挙げているのは、午後の眠気をやわらげ、作業の能率を上げることです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」では、勤労世代の項目に「午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善」と書かれています。
同指針によると、仕事の都合で夜に必要な睡眠をとれなかったときこそ、昼寝の出番。午後の眠気による仕事の問題を改善するのに役立つ、という位置づけです。e-ヘルスネットの「快眠と生活習慣」も、昼寝は午後の眠気を解消し活力を与えてくれると説明しています。
ただ、昼寝はあくまで補助です。2023年に公表された「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人は1日6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保するよう推奨しています。同ガイドによると、20〜59歳の各世代で睡眠時間が6時間未満の人は約35〜50%にのぼります。
昼寝で眠気をしのぐ前に、夜の睡眠が足りているかも確かめておきたいところです。夜の睡眠の整え方は睡眠の質を上げる方法で扱っています。
出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014/e-ヘルスネット 快眠と生活習慣
昼寝は何分がいい?15分・30分・1時間の違い
昼寝の長さは、15分程度から長くても30分以内が目安です。30分を超えると眠りが深くなり、起きたあとにぼんやりしやすくなります。
厚生労働省の資料に出てくる数字を並べると、次のようになります。
厚生労働省の資料に出てくる昼寝・仮眠の時間
| 資料 | 書かれている内容 | 対象 |
|---|---|---|
| e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」 | 昼寝は15分程度の長さで十分 | 一般 |
| 睡眠指針2014 | 午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝が作業能率の改善に効果的 | 勤労世代 |
| 睡眠ガイド2023 | 30分以上の昼寝を習慣にしている人は、昼寝習慣のない人より将来の死亡リスクが1.27倍という報告 | 高齢世代 |
| 睡眠ガイド2023 | 夜勤中の20〜50分の仮眠で眠気や疲労が改善。60分に延ばした研究では、かえって仕事の効率が下がった | 交替制勤務 |
1時間の昼寝が避けたい長さになる理由は、睡眠慣性にあります。睡眠ガイド2023の説明では、仮眠が長すぎると眠りが深まり、起きたあとに強いぼんやり感が出やすくなります。これが睡眠慣性です。
睡眠指針2014も、必要以上に長く寝すぎると目覚めの悪さが生じるため、30分以内が望ましいとしています。
昼寝の長さで変わること
- 厚生労働省の資料では、昼寝は短いほど起きたあとに響きにくいとされる
- 15分程度e-ヘルスネットは「15分程度の長さで十分」。午後の眠気を解消し活力を与えるとされる
- 30分以内睡眠指針2014の目安。午後の早い時刻にとると、眠気による作業能率の改善に効果的
- 1時間前後眠りが深まり、起きたあとのぼんやり感(睡眠慣性)が出やすい。夜の睡眠にも響きやすい
図:昼寝は15〜30分以内に収めると、起きたあとに響きにくい
昼寝のタイミングは?午後の早い時刻を仕事の時間割に当てる
昼寝をするなら、昼休みから午後の早い時刻がねらい目です。睡眠指針2014は「午後の早い時刻に」と書いており、夕方に近づくほど夜の寝つきに響きやすくなります。
12時に昼休みが始まる働き方なら、食事を済ませた後半を昼寝に回すと組みやすいはずです。時間割に当てると、次のような流れになります。
昼休み12〜13時の場合の昼寝の組み方
- 昼食と昼寝を1時間の昼休みにどう収めるか
- 112:00〜12:30 昼食昼寝の時間を残せるよう、30分で切り上げる
- 212:30 アラームを20分後にセット寝つくまでの時間も見込んで、15〜20分で起きられるようにする
- 312:30〜12:50 昼寝眠れなくても目を閉じて静かに過ごす。30分を超えない
- 412:50〜13:00 体を起こす明るい場所へ移る、顔を洗う、少し歩く。午後の作業に戻る準備
睡眠指針2014の「午後の早い時刻に30分以内」を、1時間の昼休みに当てはめた例
図:昼食のあと20分のアラームで昼寝を区切ると、13時の作業に戻りやすい
昼休みがずれる働き方でも、考え方は同じです。遅くとも午後の早いうちに済ませ、夕方の仮眠は避けるようにしましょう。
在宅とオフィスでの昼寝の取り方
昼寝の取り方は、在宅かオフィスかで工夫のしどころが変わります。共通するのは、寝すぎない仕組みを先に作ることです。
睡眠ガイド2023は、高齢者向けの項目で、日中の長い昼寝を避ける工夫として「目覚ましをかける」「同居者に起こしてもらう」を挙げています。働く世代でも同じ工夫が使えます。
在宅とオフィスでの昼寝の工夫
- 場所
- ベッドより椅子やソファ。布団に入ると深く眠りやすい
- 起き方
- スマホのアラームを20分後に。予定表に昼寝の枠を入れる
- 注意
- 会議の通知をオンにしたままにしない。終わったら明るい部屋へ
- 場所
- 自席の椅子で背もたれに寄りかかる。休憩室があれば使う
- 起き方
- 振動だけのアラームやスマートウォッチで周りに配慮
- 注意
- 机に突っ伏す姿勢は首や腕に負担がかかりやすい
図:在宅はベッドを避けて寝すぎを防ぎ、オフィスは音の出ない起こし方にする
在宅では、布団に入るとつい長く寝てしまいがちです。ベッドを避けて椅子やソファを使うだけでも、30分以内に収めやすくなります。
オフィスでは、周りの目や音が気になるかもしれません。目を閉じて静かに過ごすだけの時間として扱うと、眠れなかったときも焦らずにすみます。
昼寝前のコーヒーは効く?カフェインと夜の睡眠の関係
昼寝の直前にコーヒーを飲む方法は、起きたあとのぼんやり感を減らす工夫として知られています。睡眠ガイド2023で紹介されているのは、夜勤中の仮眠での使い方です。
同ガイドによると、カフェインをとってから仮眠を始めると、カフェインの覚醒効果で仮眠後に起きやすくなります。あわせて睡眠慣性も生じにくくなる、との報告があるそうです。
ただし日中の昼寝で使うなら、夜の睡眠への影響も考える必要があります。同ガイドによれば、日本人のカフェインの血中半減期は3〜7時間とばらつきがあります。
昼寝前のコーヒーで気をつけたいこと(睡眠ガイド2023より)
| 気をつけたいこと | ガイドに書かれている内容 |
|---|---|
| 体に残る時間 | 日本人の血中半減期は3〜7時間と個人差が大きい |
| 飲む量 | 107mgを超えると、就寝の約9時間前でも夜の睡眠に影響したとする系統的レビュー |
| 1日の合計 | カフェインは1日400mgを超えないようにする |
| 慢性的な使い方 | 眠気覚ましに常用すると効果が弱まり、依存も生じる |
コーヒー1杯のカフェイン量は、浸出したコーヒー100mLあたり60mgが目安です。カップ1杯150mLなら約90mgになります。
就寝が24時なら、9時間前は15時です。昼寝前のコーヒーを使うなら1杯までにして、昼休みのうちに済ませると夜への影響を抑えやすくなります。カフェインの量の目安は、食品安全委員会のファクトシートでも確認できます。
出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023/食品安全委員会 ファクトシート 食品中のカフェイン
昼寝しても眠いときは?受診を考えたい目安
昼寝をしても強い眠気が毎日続くなら、夜の睡眠そのものに原因があるかもしれません。睡眠ガイド2023は、日中の眠気が慢性的な睡眠不足や睡眠障害から来ていることもあると書いています。
睡眠時間を整え、環境や生活習慣を見直しても眠気が改善しない場合は、医師に相談するよう同ガイドはすすめています。次のような状態が続くときは、昼寝で何とかしようとせず相談してください。
- 夜は6時間以上寝ているのに、日中の強い眠気が毎日続く
- 会議中や運転中など、眠ってはいけない場面で眠り込んでしまう
- 家族から大きないびきや、寝ている間の呼吸の止まりを指摘された
- 昼寝をしないと午後の仕事が回らない日が何週間も続いている
眠気は、疲れや気合いの問題として片づけられがちです。けれど体からのサインのこともあるので、自己判断で抱えこまないでください。
よくある質問(FAQ)
Q1:昼寝の効果的な時間は何分ですか?
15分程度から長くても30分以内が目安です。e-ヘルスネットは15分程度で十分とし、睡眠指針2014は午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝が作業能率の改善に効果的としています。
Q2:昼寝を1時間するとどうなりますか?
眠りが深くなり、起きたあとに強いぼんやり感(睡眠慣性)が出やすい長さです。睡眠ガイド2023では、夜勤中の仮眠を60分に延ばした研究で、かえって仕事の効率が下がったと紹介されています。夜の寝つきにも響きやすくなるでしょう。
Q3:昼寝は何時までにとればいいですか?
睡眠指針2014は「午後の早い時刻に」としています。昼休みのうちか、遅くとも午後の早いうちに済ませ、夕方の仮眠は避けるのが無難です。
Q4:昼寝の前にコーヒーを飲むといいのは本当ですか?
睡眠ガイド2023は、カフェインをとってから仮眠すると起きやすくなり、ぼんやり感も出にくいという報告を紹介しています。ただしカフェインの半減期は3〜7時間あるので、1杯までにして昼休みのうちに飲むと夜への影響を抑えやすくなります。
Q5:昼寝をしても眠気がとれません。どうすればいいですか?
まず夜の睡眠が6時間以上とれているかを確かめてください。それでも強い眠気が続く場合は、睡眠不足や睡眠障害が隠れていることもあります。睡眠ガイド2023も、眠気が改善しない場合は医師に相談するようすすめています。
まとめ
まとめ
- 昼寝は午後の眠気をやわらげ、作業能率の改善に役立つと厚生労働省の資料にある
- 長さは15分程度から30分以内。1時間前後は起きたあとのぼんやり感が出やすい
- タイミングは午後の早い時刻。12〜13時の昼休みなら後半20分が組みやすい
- 在宅はベッドを避け、オフィスは音の出ないアラームで寝すぎを防ぐ
- 昼寝前のコーヒーは1杯までにし、昼休みのうちに済ませる
- 昼寝しても毎日強い眠気があるなら、医師に相談する
昼寝は、長さとタイミングさえ押さえれば、道具も費用もいらない眠気対策です。まずは明日の昼休みに、20分のアラームをセットしてみてください。気になる症状があれば、自己判断せず医師に相談してください。
※本記事は厚生労働省の睡眠指針2014・睡眠ガイド2023、e-ヘルスネットなどの公的情報をもとに整理したもので、診断・治療を目的としたものではありません。日中の強い眠気が続く場合や、いびき・呼吸の止まりを指摘された場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。服薬中の方のカフェイン摂取は、医師・薬剤師にご確認ください。

